地経学の解剖図鑑
| 定価 | 1,800円+税 |
|---|---|
| 著者名 | 福富 満久 |
| ページ数 | 152 |
| 判型 | A5判 |
| 発行年月日 | 2025/12/01 |
| ISBN | 9784767835051 |
地経学の解剖図鑑
内容・概要
「地政学」+「経済」=「地経学」で世界の動きがマルわかり!
経済が国家間の武器となり、企業が国家を超える力を持ち始めた今こそ、「地経学」の知識が不可欠です。
地経学とは、複雑に入り組んだ国際関係と地理的環境を背景に、今後国家や企業はどう動くのか? 国家・企業の戦略や国際関係はどうなるのか? などついて包括的に研究・分析する学問です。
本書ではその基礎知識から歴史、現在起きている経済摩擦や紛争までを、地経学視点から読み解いていきます。
なぜアメリカが同盟国にも関税をかけるのか? なぜロシアはウクライナに侵攻したのか? といった世の中で今起きている出来事から、近い将来起きるであろう出来事までが、きっと分かるようになるはずです。
【著者について】
福富満久(ふくとみ・みつひさ)
1972年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。2009年、パリ政治学院 Programme doctoral Relations internationales 修了。
2010年、早稲田大学大学院 政治学研究科博士後期課程修了。Ph.D(国際関係学、パリ政治学院)、博士(政治学、早稲田大学)。
現在、一橋大学大学院社会学研究科/社会学部教授(国際政治・安全保障)。英国王立地理学会フェロー(FRGS、地政学)。
主な著書に『国際正義論』(東信堂、岡倉天心記念賞受賞)、『国際平和論』(岩波書店)、『Gゼロ時代のエネルギー地政学』(岩波書店)など。
目次
序章:地経学とは何か?
・定義と背景① 地経学(ジェオエコノミクス)の意味と起源
・定義と背景②地政学(ジェオポリティクス)との違いと関係
・定義と背景③歴史的な文脈(冷戦後の国際秩序?グローバル化の影響)
・基本原則①戦略的外交ツールとして使われる経済・流通政策
・基本原則②経済力と地政学的影響力の相互関係
・基本原則③総合国力と戦略的資源
・基本原則④経済戦争の武器としての通商法
column1:アメリカの覇権と企業
1章:地経学の理論的枠組み
・理論モデル①自由資本主義経済論
・理論モデル②機能主義論
・理論モデル③戦略的依存論
・理論モデル④世界システム論
・理論モデル⑤プロスペクト理論
・理論モデル⑥ゲーム理論
・理論モデル⑦覇権循環論
・地経学に影響を与えた思想家や学説①マッキンダー、スパイクマン、マハン040
・地経学に影響を与えた思想家や学説②ケネディ、コヘイン、ナイ
・地経学に影響を与えた思想家や学説③ノイマン、モルゲンシュテルン
・地経学に影響を与えた思想家や学説④ウォルツ、ミアシャイマー
・column2:対峙するアメリカ・ソ連の戦略と政策
2章:地経学の歴史的発展
・帝国主義時代の地経学①大航海時代の到来と世界の二分
・帝国主義時代の地経学②資源と植民地の獲得競争
・帝国主義時代の地経学③経済と情報の相互作用
・帝国主義時代の地経学④運河の掌握と帝国の繁栄
・冷戦時代の地経学①資源の獲得競・争冷戦時代の地経学②援助外交
・冷戦時代の地経学③オイルマネー循環とドル覇権
冷戦時代の地経学④世界最強の軍とその展開
・冷戦後の地経学①グローバル化の進展と経済力の多極化
・冷戦後の地経学②中国の台頭と新興国の成長
・冷戦後の地経学③世界を変えた9・11アメリカ同時多発テロ
・column3:海底通信網が世界を制する
3章:現代地経学の主要テーマ
・米中経済対立①米中経済戦争
・米中経済対立②グローバルIT企業による世界支配
・エネルギーと資源の争奪①ロシア・ウクライナ戦争とエネルギー
・エネルギーと資源の争奪②石油取引における融資と新たな依存構造
・技術とデジタル経済の支配①AIとテクノロジーの進化
・技術とデジタル経済の支配②デジタル経済圏(アメリカ、中国、EU)の競争
・経済制裁とデカップリング①制裁政策の効果とリスク
・経済制裁とデカップリング②グローバルサプライチェーンの分断
・ナノテクノロジーと次世代技術①ワクチン開発戦争
・ナノテクノロジーと次世代技術②次世代技術
・column4:メルカトルの魔法を解く
4章:地域別の地経学
・アジア①中国の地経戦略
・アジア②日本、韓国、インドの地政戦略
・アジア③東南アジア諸国連合(ASEAN)の役割
・ヨーロッパ①EUの地経戦略「ルールメーカー」
・ヨーロッパ②ロシアとのエネルギー問題
・北アメリカ①シェール革命とアメリカ
・北アメリカ②アメリカとメキシコ・カナダとの関係
・南アメリカ①南米の地経戦略
・南アメリカ②ブラジルが握るラテンアメリカ発展の鍵
・中東とアフリカ①エネルギー資源をめぐる地経学
・中東とアフリカ②高い地経学的ポテンシャルを有するアフリカ大陸
・column5:脆弱国家を脱却せよ
5章:地経学と未来の国際秩序
・地経学と宇宙①スペースエコノミー
・地経学と宇宙②スペースパワー
・地経学と気候変動①環境に優しい開発とSDGs
・地経学と気候変動②環境保全と南極
・技術と地経学の未来①人工衛星技術が国際紛争に与える影響
・技術と地経学の未来②サイバー戦争の新たな形態
・column6:BRICSとグローバルサウス
終章:現代地経学からの提言
・持続可能な地経学戦略①Society5.0とICT革命
・持続可能な地経学戦略②北極開発と協力の必要性
・協力と競争の両立①対立を超えた国際協力の可能性
・協力と競争の両立②世界を支配するアメリカの武器
・協力と競争の両立③戦争国家イスラエルとアメリカ











